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『HOT AUGUST NIGHT』 - atsu-y
2024/12/29 (Sun) 08:58:33
『HOT AUGUST NIGHT』 no label(2CD)
SB recordings@Knebworth, Hertfordshire, UK. Aug.21, 1976
●Disc 1
1. (I Can't Get No) Satisfaction / 2. Ain't Too Proud To Beg / 3. If You Can't Rock Me - Get Off Of My Cloud / 4. Hand Of Fate / 5. Around And Around / 6. Little Red Rooster / 7. Hey Negrita / 8. Hot Stuff
●Disc 2
1. Fool To Cry / 2. Starfucker / 3. Let's Spend The Night Together / 4. Route 66 / 5. You Gotta Move / 6. You Can't Always Get What You Want / 7. Dead Flowers / 8. Wild Horses
アナログ名盤『HOT AUGUST NIGHT』(KNEB 1976)のアナログ起こし復刻盤の登場。
表裏のジャケもオリジナルを見事に踏襲した復刻盤になっています。
こちら速攻メーカー完売になっていますが、最高です(笑)
アナログレコード『HOT AUGUST NIGHT』といえば、欧州76ツアーを終えて2か月後の8月21日、ネブワース音楽祭のトリとして出演したストーンズのステージの終盤に差し掛かる中盤までをマルチトラック音源から収録した名盤。
"Stray Cat Blues"が欠落して、長い"You Can't Always Get What You Want"の面割の都合で一部演奏順と違っていますが、おそるべき流出音源からの名盤です。
今作の裏ジャケにそのまま復刻記載されているとおり、Bill Grahamから拝借したテープが元になっているのかはよくわかりませんが、そうしたルートから流出しない限りありえない超高音質SB音源。
このアナログ起こしもしくはこのSB音源を使用した既発CD盤は、Hot Lips Recordsの『HOT AUGUST NIGHT』(HLR-RS 004/5)、銀箱入りの『HOT AUGUST NIGHT』(KNEB-1/2)、Black Catの『LIVE DEAD FLOWERS』(BC-30)、Stone Crazyの『HOT AUGUST NIGHT AT KNEBWORTH FAIR 1976』(SC001-3)、そして代表盤たるVGPの『HOT AUGUST NIGHT』(VGP-146)。
それらについてはlive recordingsコーナーで簡単に紹介していますのでそちらを参照ください。
http://wwr6.ucom.ne.jp/atsu-y/1976kneb/76kneb.html
今作はそのアナログのストレートな復刻ということで、隠密補填や曲順の入れ替えなどもしない純粋なアナログ起こしというニッチな作品。
とはいえただのアナログ起こしではなく、Graf Zeppelinによる入念なピッチ補正がなされていて、それが素晴らしい。
そしてLHから以前リリースされた『THE STARS IN THE SKY THEY NEVER LIE』や『PHILADELPHIA SPECIAL』の1stや2ndでいきなり感じた違和感もなく、まさにこれ!という音。
音質的にはちょっと高音寄りで、低音がしっかり鳴っていた『LIVE DEAD FLOWERS』(BC-30)とも、分厚い音作りの『HOT AUGUST NIGHT』(VGP-146)とも違うテイストですが、わたし的には最高の"EX"。
いやしかしこのピッチ修正が本当に素晴らしいです。
メーカーインフォにはこの形態でのリリースは今回限りとなるでしょうとありましたが、この音にモノラルSB音源と隠密音源を足したVGP盤のような完全版もピッチ修正完全盤としてリリースしてほしい(笑)
ちなみにこの大元のアナログレコード各面のマトが最高ですのでここに紹介しておきます(笑)
KNEB 876-A SATISFACTION GUARANTEED
KNEB 876-B LET THE GOOD TIMES ROLL!
KNEB 876-C IT'S HOT!
KNEB 876-D you'll surely get SATISFACTION
そして今作のメーカーインフォがまた秀逸ですので、転載しておきます(手抜き・笑)
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ストーンズ・マニアには『HOT AUGUST NIGHT』という名前だけで通じてしまう大人気ライブ1976年ネブワース。ZEPやオアシスのマニアには地名で通じるネブワースですが、ストーンズに限ってはむしろ地名でなく、そのライブを収録した名盤タイトルの方が通りは良いのではないか?と思えるほどマニアに浸透した『HOT AUGUST NIGHT』。
「モービル・ユニットを用いたマルチトラック録音」であること、さらに「レア曲満載のセトリ」それでいてある意味ストーンズらしい「荒っぽい演奏」(笑)といった要素が相まってマニアの間で高い人気を誇る『HOT AUGUST NIGHT』ですが、そこは流出音源らしく何度かのダビングを経たマルチトラックが元になっており、その粗い質感がかえってこの日のワイルドな演奏の魅力を引き立てる結果となっているように思えます。
何よりマルチトラックですのですべての楽器がばっちりステレオに分離、なおかつ歓声までもアンビエントのマイクが拾って左右からこれまたステレオで豊かに聞こえてくる。これほどの音源が流出したことは非常に画期的なことであり、同じようにマルチトラックの流出だった『PHILADELPHIA SPECIAL』と近い時期にリリースされたというタイミングも実に印象的でした。
それ故『HOT AUGUST NIGHT』LPはベストセラーとなり、当初は青い単色印刷&単色カラービニールだったジャケもフルカラー&マルチカラー・ビニールへと昇格。当然CDでのリリースも待ち望まれた訳ですが、第一号となった懐かしのHot Lips盤はLPよりも少し長く収録していたという反面、音質そのものがLPより劣る、さらにジャケも冴えないと言った具合にマニアをがっかりさせたもの。
その後パッケージは豪華だったStone Crazy盤もどんぐりの背比べ、そうした状況の隙を突いた銀箱アナログ落とし盤も今となっては懐かしいもの。しかし丁寧なCD化とは程遠いものであり、結局1997年のVGP盤『HOT AUGUST NIGHT』がベスト。その後同盤を元にしたSODD盤が出たという程度に甘んじたままなのが現状かと。
一番の問題はCD化された流出マルチトラックの音質がLPよりもはっきり劣ってしまっていたという事実。過去のCDよりは音質が向上していたVGP盤も別の問題を抱えており、例えば「Dead Flowers」の冒頭には他のタイトルにない音の劣化がみられ、そこを別音源にて隠蔽。さらにダビングを重ねた流出音源らしく当初からヒスノイズが目立つ音源ではありましたが、特に「Little Red Rooster」辺りではLPと比べてノイズが「ヒス」から「ブリージング」の状態に映ってしまうほど目立ってしまっていた。
こうして皮肉なことに同期の名盤『PHILADELPHIA SPECIAL』と同じく、未だに音質はLPがベストであり続けている『HOT AUGUST NIGHT』。そこで今回「GRAF ZEPPELIN」がオリジナルのLPからの文字通り緻密なトランスファーを敢行。スクラッチノイズが気にならないクリーンな状態でのCD化などお手の物。
問題は持病とも言える落ち着きのないピッチの狂い。これもまた流出音源らしい状態なのですが、そこに関してLPはおろかCDアイテムですら攻めきれたアイテムは皆無。そもそもオープニングの「Satisfaction」が始まるやいなやピッチがさっそく変動するほど不安定な状態です、そこを「GRAF ZEPPELIN」ならではの妙技で徹底的にアジャスト。こればかりはLPどころか90年代リリースのCDですら完全に正すのは不可能でした。
これほどまでマルチトラック・パート全体に散見されたピッチの狂いをきっちりアジャストしてくれたのは今回が初めてであり、それだけでオリジナルのLPと比べても格段に聞きやすい状態へと生まれ変わったのです。
その上、音質そのものが先に挙げたCDアイテム群より圧倒的に良い。
ネブワースのフェスに出演ということから「Around And Around」を皮切りにレア・レパートリーのオンパレード。それが仇となって荒っぽい演奏が随所で披露されてしまう訳ですが、それに輪をかけたのが単独コンサートと違いフェスだからこそ生じがちなPAトラブル。「Little Red Rooster」を皮切りにハウリングに見舞われ、遂に「Hey Negrita」ではロニーのギターが鳴らなくなってしまうほどの災難に。
そうした会場側だけのトラブルに収まらなかったのが『HOT AUGUST NIGHT』。今度は「You Gotta Move」でモービル・ユニットからの接続トラブルと思われるピー音が炸裂。先のハウリングと違いこちらの音が会場には鳴っていなかったことがAudで証明されていますので、そこからもモービルのトラブルであった可能性が高い。
この音に関しては録音時の状態ということから別音源を用いた差し替えをあえて避け、なおかつLPの復刻というコンセプトからそのままの状態で収録しています。さらに今回は未収録曲のAud補填も行わず、あえてLPの忠実な復刻を徹底したのは、それほど流出マルチの音質がCDよりも秀でていたからこそ。みんな大好き『HOT AUGUST NIGHT』本来の音質を「GRAF ZEPPELIN」がジャケのデザインも含め緻密な監修でCDに蘇らせてくれました!
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VINYL TRANSFERRED & REMASTERED BY GRAF ZEPPELIN
★ビンテージアナログ原盤からダイレクトにデジタル化のうえリマスター!
非常に音源の種類が多いネブワースですが、今回はステレオ・サウンドボード収録された有名LP盤「Hot August Night」(KNEB 1976 / KNEB 876-A/B/C/D)から収録!
今回は敢えて補填や曲順修正は行わず、ピッチ修正とスクラッチ除去および帯域補正を行い、LP盤としてのベストサウンドを目指した年末限定酔狂盤!この形態でのリリースは今回限りとなるでしょう。
今回盤でのポイントは何と言ってもピッチ修正に尽きるのではないでしょうか。
Satisfactionイントロ途中で急にガクンとピッチが下がったと思ったら今度は急激に上昇し、しばらく、ずっと上がったままという持病を抱えたこのステレオSB音源ですが、今回初めて違和感なくこれを補正!
既発代表盤のVGP盤でもこのイントロ付近でのピッチ問題は殆どそのままという状態でしたが、今回ピッチに関しては徹底精査補正により完全に解決。もちろんLPの面ごとでバラついていたピッチのズレも、精査分析補正してますので、VGP盤では逆に低いままだったDead Flowersあたりも今回は適宜修正されています。
また本音源の特徴としてYou Gotta Move中に例のピー音がありまして、これも色々な意見はあるとは思いますが、今回はアナログ盤を復刻という趣旨ゆえ、敢えて差し替え等なしでそのままです。この収録形態での収録も間違いなく今回限りとなる事でしょう。
EQ処理も最小限に留め、VGP盤は時代を反映したかなりアゲアゲな処理なのに対し、今回盤は、極めて素直で耳当たりの良い絶品アナログ・サウンドとなっております。
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ということで、オフィシャルから"Wild Horses"1曲のみ映像がリリースされているネブワース、ハウリングなど多くの機材トラブルがありつつも、いつの日か全編拝みたいものですが、アナログ名盤を見事なピッチ修正でよみがえらせた、2024年最後のリリースにして素晴らしい作品でありました。